大リーグボールは未知の魔球だったのだ

今年は2007年だから、21世紀に突入した事実さえ人々の記憶からなくなっているわけだが、子供のころに想像した21世紀はこんなんじゃなかったよ。

     ★21世紀は自分で歩き、人間と会話ができるロボットがいる

     ★21世紀はどの家庭にも立体テレビがある

     ★21世紀は火星や金星に基地が作られている

     ★21世紀の自動車は都市空間に張り巡らされた透明なチューブの中を走っている

がっかりだよ。どれも実現してないじゃないか。全世界の科学者と技術者は手塚先生に詫びろ*1プリウスくらいでごまかされないぞ。プリウスといえばアクオス*2。テレビは薄くするより立体だよ。テレビのスイッチを入れると、上に立体像が浮かび上がらないと。
まあ、こんな21世紀が来ないことは中学生のときからわかってたんだけどね。だが悪いことばかりじゃない。私はほんの10数年前はこんな予想をしていた。

     ・日本人が大リーグで活躍することは無い

     ・日本女性がフィギュアスケートや新体操でメダルを獲るのは無理

     ・日本人は陸上の短距離や水泳の自由形でメダルを獲れない

2番目のフィギュアスケートは、体型の点で西洋人に大きなハンディを背負っている日本女性がメダルを獲ることはないと思っていたのだよ*3。それが荒川静香の金メダル。この前の世界選手権での金と銀のダブル入賞。これはうれしい誤算だった。それにしても、真央ちゃんの体型って日本人では無いよね。3番目は柴田亜衣自由形で銅メダルを獲っている。先日の世界水泳でも3位なので本物だ。それにしても肩幅すごい。日本の女性アスリートは本当にがんばっている。
よく考えれば、この中でいちばんありそうなのが大リーグなのだが我々の世代、つまり「巨人の星」世代にとって大リーグはまさに天に輝く明星だ。なにしろ、星飛雄馬が開発した魔球のシリーズ名が

     大リーグボール

大リーグでも通用するボールという意味だ。当時の少年たちにはこの名前は

     四次元ボール

と同じくらいのインパクトがあった。当時の大リーグは四次元と同じくらい日本人には縁がないものだったのだ*4。そのくらい、本場アメリカの大リーグは遠い存在だったのだ。「我ら九人の甲子園」の最終回で、主人公が大リーグを目指して彼女とアメリカに渡るのを読んで落涙したよ。なんてすごい奴なんだと。これは「巨人の星」とも「キャプテン」とも違うまったく別の角度から描いた野球マンガの傑作だ。まだ読んでない人は幸せだ。話を戻して巨人の星の大リーグボールだ。いまはこんな魔球が無くても多くの日本人ピッチャーが本場の大リーガーから三振を奪っている。いまの子供に大リーグボールって言っても逆に意味がわからないだろうな。
これってどういうことかというと、たとえばこういうことだ。モンゴルでは明日の朝青龍を夢見て相撲の稽古に励んでいる少年たちがいるかもしれない。その子たちの必殺技が

     両国投げ

だったりしたら、総武線の駅でも一二を争うショボい駅である両国駅を知っている人なら大笑いなのと同じだ。実は私は生まれと育ちが両国なのだよ。あそこって昔ながらの下町で、スーパーとか本屋も大きな店がなくて本当に不便なところだった。駅前もさびれてるし

*1:なんで?

*2:ぜんぜん関係ないでしょ

*3:もちろん伊藤みどりがメダルを獲ったのは知っているが、スケート界はそのころからはるかに進歩をしていたからね

*4:四次元はアメリカ人にも縁がないがな。あ、ニュートン力学においてね