検証・これが実写版の台本だ!−act43(その2)

私がストーリーの全体像が見えなくなってきたのがact43あたりだ。

     プリンセスセーラームーン(以下、Pムーン)とは何者なのか?

     実写版におけるメタリアとは何か?

     シンクロしあっているらしいメタリアと幻の銀水晶の関係は?

この疑問が回を追うごとに解き明かされるものと思っていたら、話は美奈子を中心とする前世との因果に移り、美奈子が死んでそのまま最終回になだれ込む。act36でPムーンが登場したときは、アニメでシーズンごとにあったセーラームーンの強化版だと思っていただけに、そうではないと気がついたact42あたりの衝撃は大きかった。PムーンがM妖魔と戦うのは月野うさぎ自身を守りエンディミオンを取り戻すためであり正義のためではない。しかもPムーンの存在がM妖魔の力を強め、周りのエナジーを吸い取っているようだ。やっかいなのが登場人物は上の3点にはそれなりに納得し誰も疑問に思わないので、答えが語られることはない。たとえばルナのセリフ、

     問題は、メタリアの被害にあった人達ね。幻の銀水晶の力でも元に戻らないなんて

メタリアの影響で廃人同然になった人たちを幻の銀水晶を使って元に戻そうとしたことはここまででなかったはずだ。だが、台本ではこのセリフの後に回想シーンが入る。

     ハープを奏でるPムーンから放たれる力

つまり、Pムーンがハープを奏でるとそこからはある力が放たれ、しかもその力は幻の銀水晶によるものであることが既定の事実としてルナの口から語られているわけだ。もちろん想像は付くのだが、断定していいだけの説明が劇中にない。そもそもPムーンが治癒力を発揮したのはact42だけであり、それはセーラーマーキュリーに向けられたものだ。だが、銀水晶=Pムーンはこのセリフで既定値になった。このように想像を排除して劇中の事実をひとつひとつ確認しながら残りの台本を読み解いていこう。
(つづく)仕事の都合で、つぎの更新は週末になります