1990年物

「日本権力構造の謎〈上〉(下)」カレル・ヴァン・ウォルフレン著、1990年早川書房刊、税込・上下とも2447円。いまから16年前に出版された本だ。この本は1994年に文庫本になっている。上下とも840円。文庫本でさえいまから12年前の発行なので手に入りにくい。この本、単行本が出たときに買ったが、あまりのつまらなさに1章を読んで捨てた。
その右側は、「江戸打入り」半村良著、1997年集英社刊、税込1890円。これも文庫本が出ているがたぶん絶版。下の写真は絵本。これはいつごろのものか、特撮ファンならすぐにわかりますね。
ともに私の家の近所の本屋。「なによ、町の古本屋か、BOOKOFFの105円コーナーの棚じゃん」と思うだろう。この本屋はれっきとした新刊書のふつうの本屋なのだ。もちろん最新の単行本も少しは置いてあるが、棚の本はほとんどがやたら古いのだ。文庫本のコーナーなんか、背表紙の色が変色して薄くなっている。
なんなんだ、この本屋は。考えられることは一つ。

     本を熟成させている

近隣の大型書店の棚からなくなるころになると、出版物の価値は下がる。これが出版社でも絶版になり、さらにBOOKOFFからも無くなると、必要な人にとっては千金の価値となるわけだ。この本屋の親父はそれを狙っているに違いない。だが町の小さな本屋がやるには計画が遠大すぎないか。