一部の方から要望があったやつ。台本の検証シリーズで省略した戦闘シーンについて、台本ではなにがどの程度書かれているかを見てみよう。DVDやビデオを見ながら台本を見るとよくわかるが、セットするのもめんどうだと思うので、放送どおりのシーンを書き出してみた。実際には台本をもとに私が書いたようなアクションの台本やコンテを監督が書いて、それを元に演出がされたわけである。
水「妖魔を探さなきゃ」
月木「うん」
(CM)
(廊下に出る4人。背後に妖魔が降り立つ。指先の刃物がキラリ☆)
(セーラー戦士に向かって駆け出す。妖魔に気づき振り向く月・火・木)
木「ふっ」(妖魔に殴られる木)
火「はっ」(妖魔に殴られる火)
月「キャ!」(妖魔に蹴られる月。なんでセーラームーンだけ足蹴に?)
(指先の刃物はあぶないので、手の甲で殴る妖魔。何のための刃物)
(倒れる3人)
妖魔「ふううう〜ん」(残った水に駆け寄る妖魔)
(身構える水。左こぶしを前に突きだし、右肘を引く構え。この構えはヴィーナスもよくやる。まさにセーラー正眼の構え)
妖魔「ふっ」(妖魔のパンチ)
水「ふっ」(上体を伏せてかわす水)
(妖魔の正拳突き。回転してバックステップの水。水の前蹴り。妖魔のバックステップ)
(回転しながら間合いを詰めて追いかけるように水の前蹴り。のけぞりかわす妖魔)
(横に払おうとする妖魔。ジャンプしてかわす水。妖魔のワンツーパンチ。回転してよける水)
(突然、水がジャンプ。妖魔を飛び越えるときに後頭部に蹴り。たまらず姿勢を崩す妖魔。空中で回転して妖魔の背後に降り立つ水)
水「こっちよ」(クイクイ)
妖魔「ふん!」(振り返る妖魔)
水「マーキュリーアクアミスト」
妖魔「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙〜」(妖魔消滅)
(ほほえむ水。起きあがる3人。あまりにもすぐに起きあがったので、ダメージで動けなかったと言うよりあぶないから伏せていたとしか思えない)
火「やったわね」
月「やったね」
木「やったな」
金「なったわね」(うそうそ、この場にヴィーナスはいません)
台本では妖魔の攻撃をかわしたセーラームーンたちだが、放送ではセーラームーン、マーズ、ジュピターの3人は妖魔にはり倒されてる。せっかく刃物がついているのにあぶないから使わなかったこの妖魔はなかなかの紳士である*1。また、小林靖子のイメージは「妖魔(金)」なのに制作陣にあっさり無視されたのは以前に書いたとおり。妖魔が金色でなければならない必然性は台本を通読したが見いだせなかった。
もう一つ、特筆すべきは私が書いたものを読んでいただくと浜千咲が志保美悦子なみのアクションシーン*2を演じているように思えるが、浜千咲はあくまでも浜千咲である。下から見上げる上半身のショットだけにしてスピード感のある画面にしながらもボロが出ないようにする。これが演出と言うものである。
どうでもいいけど、この企画は執筆に時間がかかりすぎます