「ボディーにまとうラメ・アンド・チャーム」

富良野といえばラベンダーだが、実はラベンダーの開花時期は6月下旬から1ヶ月なので8月の盆休みに行くと摘み取られているか、枯れている。最初に富良野に行った99年なんか咲いているラベンダーは1本も見られなかったよ。ところが品種改良なのか、栽培方法の進歩なのか、この時期に咲いているラベンダーが年々増えて、今年あたりは満開のラベンダーが畑一面に植わっている場所がかなりあった。
そもそもラベンダーは香水の原料として栽培されていたが戦後に海外から安価な合成香料が輸入されるようになって需要が激減。北海道のラベンダー産業は壊滅的な打撃を受け、農家はつぎつぎにラベンダーから農作物の栽培に替えていった。その中で、現在は観光名所になっているファーム富田*1がラベンダーの素材をそのまま生かしたみやげ物の販売を始めた。現在の規模になるには、富良野や美瑛の美しい丘の風景の写真集が注目されたり、ドラマの舞台になったり外部要因があったのは確かである。だが、官需主導の北海道、それも補助金だより農業において富田氏の企業家精神は立派である。また、原料であるラベンダーを製品そのものとして売り出す点などはビジネスのあり方として示唆に富む。アニメの声優がアニメから離れて、その人そのものをアイドルとして売り出すのなどは、このラベンダーとまったく同じ手法である。そのうち、特撮番組の中の人が素顔で歌を歌ったりダンスをしたりすることもあるかもしれん。
ところで私が富良野に行くのはラベンダーが見たいからではないのだが、その話はまた明日。