私だけが選ぶ名場面ベスト10+1−act18−(中編)

act11では月野うさぎに対してブイブイ文句を言っていた愛野美奈子であるが、act17はセーラーマーズを罵倒したところで終了。火野レイは4人の中ではいちばん使命感と責任感を持ってセーラー戦士の任務に当たっているではないか。そのレイが罵倒されるところがポイントだ。彼女がこれほど任務に集中できるのは、

     ほかにこれと言った楽しみがない

点が大きい。火野レイの趣味は

     祈祷と子供会

だけだ。火野レイが「なっかり」なら他の3人などセーラー戦士を名乗る資格さえない。act17の時点で我々視聴者は、この後に延々と続く火野レイ愛野美奈子のバトルを知らないわけだ。当然、実写版における愛野美奈子の独特の立ち位置もまだわからない。来週あたりで愛野美奈子がカラオケクラウンに現われ、みんなで合唱すると思っている。実写版における愛野美奈子とは小林靖子が用意したギミックなのである。
act18は迷子の犬を巡って火野レイ愛野美奈子が反目する話だ。普通の中学生である火野レイに、愛野美奈子は芸能人の潤沢な財力をもって対抗する。たかが犬に餌をやるのにタクシーで乗り付けて、缶入りのドッグフードも大人買いだ。大人買いだが素人相手に大人げない。設定上は14才だから大人げなくていいのか。かといって子供らしくもない。
レイが圧倒的な財力を持つ美奈子に対抗するにはどうしたらいいか。ここでレイが政治家のお父さんに応援を頼めば

     権力vs財力

の面白い話ができあがったはずだ。この教会にレイのお母さんのお墓がある伏線も生きる。だが、これはセーラームーンである。そこまで話を膨らませてしまったら妖魔や四天王の出番がない。act17ではついにセーラームーンが登場しなかったので2週も主役が出てこなかったら全国のお子様から抗議の電話の嵐だ。いやお子様はテレビ局に電話できないからお母さんか。そういう私の感想もどんどん話が逸れている。
(つづく)