冬休み映画まつり(補足)前編

ひとつ忘れてた。これを買ったんだ。私にチャンネル権の無い我が家では、土曜日の夜はTBSの「世界不思議発見」だ。なので「女王の教室」は最後の2回以外、ナイター延長のときに終わりの15〜30分しか見られなかったのだ。DVDで初めて第1話から通しで見る。結末がわかった後で見直すと、和美やひかるに反論されたときの先生の表情は「なにを小癪な」ではなくて「しめしめ」とか「よしよし」に見える。だがそこで終わらないのがこの先生のすごいとこだ。先生に逆らったとして罰を与える。体制に逆らうのは簡単だ。だが、それに対する代償や報復、周囲の反対や裏切りがあるのが人生だ。その覚悟がないなら最初から逆らうべきではない。反撃されてもさらに戦い続ける意志あるいは殉教者になる覚悟がないならただの甘ったれのだだっ子だ。それを先生は教えているのである。これを見て天安門事件を思い出した。先導した学生は早々と米国に逃げ、向こうから中国に向けて民衆よ立ち上がれと叫ぶ。おいおい、それは違うだろう。君たちの先導で殺されたり投獄された人たちはどうなるのだと。
話がそれてしまった。真矢先生がやったことは壮大なシミュレーション、小学校をボードにした人生ゲームである。走者を塁に置いて行なう野球の守備練習と同じだ。現実にはめったに無い状況を先生が自ら作り出して児童に体験させ、それに対処する方法を考えさせる。もちろんこれはフィクションであり現実の学校でこれを行なうのは無理だ。実際の学校には和美や由介はいない。
(つづく)