検証・これが実写版の台本だ!−act36(その4)

いきなりクライマックスのシーンに行ってしまったが最初に戻ろう。前半はカットされたシーン、放送では使われなかったセリフが非常に多い。はじめに病院に行った4人が面会を断わられるシーン。

     【シーン3】病院・廊下(夕方)

     松尾と話しているうさぎ達四人。

     うさぎ「え、美奈子ちゃんの面会、ダメなんですか?」

     まこと「そんなに悪いんですか?」

     松尾「いや、疲れからくる貧血で心配ないんだけど、今は誰とも会いたくないみたいなんだ」

     レイ「私達とも?名前言ってもらえました?」

     松尾「言ったけど同じ。心配しないでくれって。ごめんね」

5つのセリフの内、最後の2つのセリフは放送では使われてない。放送では最初の松尾のセリフの最後に「ごめんね」が付いているので、カットではなく使わなかったのだ。うさぎ、亜美、レイ、まことの4人は美奈子にとってただの友人やファンではない特別な者だ。最初の3つのセリフだけなら

     一般的に言って、人と会いたくない

となり、特別な4人にも会いたくないのかは留保される。ところが台本では、この4人にも会いたくないと明言されている。放送と台本ではかなり意味が違う。そして、この拒絶が、この後のレイの呼び出しを効果的にするのである。レイの呼び出し?そう、台本にはあるのだ。
(つづく)