道路の謎(冬編−その1)

私はこっちにいたときは車を持っていなかったので、札幌に引っ越してからマイカーを所有することになった。車が来たのが10月初旬。その年は雪が早くて、11月下旬にはもう根雪になり、次に地面を見たのは翌年の3月下旬である。つまり車に乗り始めてからわずか1ヶ月余りで雪道の運転を強いられることになった。ちなみにその1ヶ月半後の1月には車でスキー場まで行くことになった。運転を始めてから3ヶ月でスキー場である。人間、必要に迫られればなんでもできると思った。
実は、雪はそれほど怖くない。急ハンドル、急発進、急ブレーキの雪道3大タブーさえ犯さなければ命の危険は少ない。怖いのは氷である。雪が降った後、日中は晴れて、しかも気温がほとんど氷点下の日が3〜4日間も続くとアイスバーンになる。アイスバーンと言っても、スキー場のシャーベット状の路面ではなく、スケート場に近くなる。こうなるとスタッドレスタイヤでもテレビのCMのようには停まらない。慣れない頃は、信号が変わりそうなのでブレーキをかけたら車が制止したのは交差点の向こう側だった、なんてこともあった。冬道の注意点は次のとおりだ。
【そもそも交差点がわからない】たしかに信号はあるのだが、上の写真のように車道と歩道の境がよくわからず、交差点の地面に書いてある停止線や歩道のマークもすべて雪で隠れている。初めて雪道を走ったときは、家の近所の見慣れた道がまったく違った風景になりあせった。それでも十字路ならまだなんとか視認できるが、T字路や、単に歩道があるだけの信号だと本当にわかりにくい。ちなみに北海道では停止線がわからなくなるので「停止線」という標識が立っている。
(つづく)