スキー場の謎(中編)

市民スキー場でのスキーは本州のような「レジャー」ではなく「スポーツ」あるいは「冬の暇つぶし」である。スキー場へ行く動機、準備、向こうでの過ごし方、帰るタイミング、これらのすべてが異なってくる。
【動機】何週間も前から友達を募り、宿や交通手段の手配をするレジャーのスキーと異なり、市民スキー場は「今日は暇だからスキーでもいくか」「今日はスキーくらいしかすることがないなあ」という、まさに「でもしか」スキーである。会社の帰りに行くことも可能だ。
【準備】我が家では女房と子供は家でスキーウェアに着替え、スキー帽をかぶり、手袋を装着し、さらにスキー靴まで玄関で履いていく。運転手の私はさすがにスキー靴までは履けない。あとはスキー場まで30〜40分、料金無料の駐車場に車を入れたらあとは滑るだけだ。
【向こうでの過ごし方】ひたすら滑る。リフトに行列が無いので、降りたらすぐにリフトに乗ってまた滑る。ロッジに行っても何もないので滑る以外にすることがないぞ。
【帰るタイミング】リフト待ちというインターバルが無いので2時間も滑ったらヘトヘトに疲れる。途中で昼飯を挟んでも3時間もいれば飽きる。だから帰る。どうせいつでも来られるのだ。
これが正しい市民スキー場の過ごし方だ。札幌市内でも良いスキー場がたくさんあるので、北海道の他の地方に行けば、もっと人が少なくて、もっと良いコースのスキー場がゴロゴロしている。山頂から2kmくらいのコースを滑って、途中で出会った人が10人に満たないような市民スキー場もめずらしくない。