スキー場の謎(前編)

北海道のスキー場と言えば「札幌国際」「ニセコ」「富良野」などが有名だ。本州だけでなく海外からも観光客が来る。当然、スキー場の回りにはホテル、ペンションが建ち並び、ロッジにはいろいろな食い物や土産物があり、本州の旅行会社では航空券とホテルがセットになったツアーが組まれている。これとは別に観光客は絶対に来ないスキー場がある。仮にこれを「市民スキー場」と呼ぼう。
札幌市内に当時の私の家から車で40分以内の市民スキー場が4つ、1時間以内ならさらに増える。盤渓スキー場などは中央区に存在する。東急ハンズ、パルコ、ヨドバシカメラとスキー場が同じ区にあるのだ。市民スキー場の特徴は次のとおり。

     ●リフト券が安い。半日券で二、三千円。ナイター券など千円のところもある

     ●ラーメンとカレーくらいしか食い物がない。自家製の弁当を食っている家族連れも多い

     ●土産物を売ってない

     ●スキー場の回りは何もない*1

     ●リフトには行列がない

     ●観光パックが組まれてないので本州ではその存在が知られてない

要するに、苗場スキー場と北海道の市民スキー場は、豊島園の流れるプールと豊島区営プールの差なのだ。本州のスキー場のような華やかさはない。むしろ貧乏感さえ漂っている。だがゲレンデはパウダースノー、初心者から上級者までコースは多彩、1,000m近いコースもある。つまりスキー・スノボを愛する北海道民のために存在するスキー場なのだ。市民スキー場にロマンスは存在しない。もちろんアベックも来ているが、二人でひたすら滑っているので恋が発展する様子は無い。

*1:何もないというのは語弊がある。住宅や学校はある。藻岩山スキー場はオートバックスまで15分くらいだ