北海道 小学校の謎(前編)

私は東京の下町で育ったので、クラスの95%が自営業だ。お父さんがサラリーマンの友達の家に遊びに行くと「君んちなんで昼間っからお父さんがいないの?」「どうやって生計を立ててるの?」と聞いてしまうほど自営業が多い*1。必然的に自営業が多い地域の学校は転校生がいない。入ってくる子もいなければ出て行く子もいない。そのような環境で育つと転校する自分が想像できない、いや恐怖でさえある。私の中には転校ということがネガティブにインプリントされているので、ちょうど小学校3年生になる子供の転校は必要以上に心配してしまった。本人はまったくの観光気分で転校ということがどういうことかわかっているのかいないのか、家の荷物が片付けられていく様や、友達とのお別れ会を楽しんでいた*2。さて、実際に札幌の小学校へ通い始めると東京や千葉の小学校との微妙な違いがわかってきた。
【ランドセルを使っている子は三分の一】小学生はランドセルで学校へ行くものと思っていたが、札幌はまちまちだった。いちばん多いのはデイバッグやショルダーバッグ。これに手提げのバッグ、ランドセルが続く。子供が登校しているところを見ると、さながら映画で見る外国の小学校のようであった。私はもともとランドセルは空の状態でもそこそこ重量があり小さい子供には向かないと思っていた。さらに1年生のときは大きすぎ、6年生になると小さすぎる。しかも体操着や習字の道具は入らないので荷物が増える。その点で札幌の小学校はなかなか合理的である。このあたりの経済的合理性は大人の世界でも随所に見られ

     結婚式の披露宴は定額制(余分な金は払わなくていい)

     葬式で香典を出すと希望者には領収書をくれる(会社の経費で落とせる)

などはサラリーマンにはありがたい習慣だ。

*1:中には人に言えない事情でお父さんが家にいない家庭もあったかもしれない。悪いことをした

*2:アホなのも一因ではあるが