act23回顧(その13)

緑色のスライムから足が抜けないセーラームーンセーラーヴィーナス。全国のお茶の間から「靴を脱げ〜」の大合唱が聞こえてくるようだ。だが、あれはセーラー戦士の一部なので脱ぐわけにはいかない*1。そこにネフライト登場。完全に目がいっちゃっている。主役のセーラームーンを無視してセーラーヴィーナスに近づく。偽プリンセスのピンチだ。セーラー戦士の技は上半身しか使わないので、足が動かなくとも問題ないと思うのだが、それは言いっこ無しだ。たぶん足の踏ん張りが効かないと技が出せないのだろう。いや、足が動かないのだから踏ん張りが効くではないか。そんなことを考えている間にネフライトが近づく。

     (07:53)「貴様らのせいで、どれだけ私が」

気持ちはわかるが、それは逆恨みというものだ。ヴィーナスに手を伸ばすネフライト、何をしようとしている。ティアラが幻の銀水晶でないのはact20でわかっている。

     1.自分の手と小松彩夏の顔の大きさを比べようとした

     2.ゲートのランプが点いたので金属製品を持ってないかチェックをしようとした

     3.日テレジェニックの予備審査をしようとした

どれも不正解だ。ここで突然の火炎放射2連発。

     (07:54)「炎と情熱の戦士セーラーマーズ。火星に代わっておしおきよ」

脇の下から見える緑色のテープも鮮やかにマーズれい子、じゃないセーラーマーズの登場だ。この間、5分。「星降る夜明け」も歌ったのか。鳴り響くヘリコプターの音。最初に見たときはテレビが壊れたのかと思った。視聴者が混乱するような効果音を使うんじゃない。ネフライトとマーズの一騎打ち。ヴィーナスが顔をしかめる。『こいつじゃ勝てないよ』と。場面と場面の間に顔のアップが入り、その場面を構成する登場人物の心情を表現するのが佐藤監督の特徴。これが鈴村監督の場合は唇のアップ。

     (07:54)「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

ネフライトは両手の間にプラズマ状のものを生成。対するマーズは炎の舞。ここは日本特撮史に残る名場面である。実写版セーラームーンの弱点だった変身後顔出しアクションがプラスに作用した希有な例といえる。これが強化スーツを着用したマスクマンでは感動が薄れただろう。真・妖魔退散発動。ネフライトが炎に包まれる。

     (07:55)「く゛あ゛あ゛あ゛あ゛」*2

ネフライト破裂。肩で息をするセーラーマーズが陽炎に揺らめく。この1分間の映像美はまさに至福の時。セーラームーンを見てて本当によかった。
(つづく)

*1:2月9日「スパイダーマン2とタキシード仮面(後編)」参照

*2:「ぐ」はふつうにある文字なので、わざわざ「く」に半角の「゛」を付ける必要はない