小松彩夏「グラビアアイドルと呼ばないで」−戸、折らないで下さい−レポ(最終回)

ここまでのテーマを整理しよう。小松彩夏の前に立ちはだかる壁はつぎの二つ。

  1.日頃の言動を「作りすぎ」、「嘘くさい」と指摘される

  2.グラビアアイドルはバカにされる

それを念頭に置いて、残りを見てみよう。インタビューのつづきから。

  彩夏「だから、アイドルグループやってグラビアが盛り上がるなら

     私はやってやろうと思います」

小松彩夏の意気込みは立派だ。ひとつ問題点をあげるなら、ほかの参加者に比べて小松彩夏はグラビアの比重が小さいことだ*1

  彩夏「グラビアの仕事はいつも私に自信をくれるから」

     

  彩夏「だからいまの私はグラビアアイドルです」

舞台女優の肩書きを捨てて自らの存在をグラビアアイドルと言う小松彩夏。その心意気や如何に。だってそういう番組だから*2

  北条「いよいよ明日だね」

     

  彩夏「はい、気合い十分ですよ。ぜったい受かりますから私。がんばります」

  (移動のロケバスの中でお母さんに電話をする)

     

  彩夏「じゃあ、またね」

     

  彩夏「ちょっと! 撮らないで下さいよ。恥ずかしい」

毎回、この番組のタイトルである「撮らないで下さい」が主役のセリフとして出てくる。いままでは悲痛な叫びだったが、小松彩夏回はお母さんに電話をしているところを撮られたことに対する照れ笑い。明らかに第2話から第4話とは深刻さが違う。上に書いた2つの悩みも、これまでの仕事や年令や収入の悩みなどの自分の置かれた環境への悩みに比べたらぜいたくな悩みだろう。それが無い小松彩夏に対しては、よりドラマ仕立てにしないと番組が成立しない。
さて、小松彩夏は上の2点をどうやって解決したのだ? なにもしてない。1の「嘘くさい」は、本来なら自分自身を承認できるかの問題だと思う。「私はこれでいい」というポジティブな承認から、「私にはこれしかできない」というややネガティブな承認まで、とにかく「あるべき自分」と「あるがままの自分」の折り合いを付けて自分を認めることができれば悩みは消える。だがこのドラマでは小松彩夏を承認したのは小松彩夏ではなく北条だった。小松彩夏はあまりにも良い子ぶってると思ってた北条だが、1週間、小松彩夏に密着取材をした彼が見たのはそのまんまの小松彩夏だった。2の「グラビアアイドルのプライド」も、「他人がどう思おうが私はプライドを持っている」以上終了。そりゃそうだ。そんな深いドラマであるはずがない。帰りのバスで寝ている小松彩夏
     
やはり寝顔には本当の年令が現われる...たしかに25才だ。もちろん、この25才の素顔を「お人形さん」に仕立てる小松彩夏の表情作りの妙なのだが。決勝審査当日、会場に向かう小松彩夏
     
これで帽子をかぶればリアル愛野美奈子。ドラマはここで終了。
それにしてもこの番組、どこまでが素の発言で、どこからが台本なんだろう。ほとんど台本だと思うが、それなら小松彩夏のセリフは著しく進歩した。言い回しだけなら北川景子と差が無いのではないだろうか。ただ、何度か書いているがキンキン声になりがちな発声で損をしている。いまからでも遅くないので、本格的なボイストレーニングを勧める。小松彩夏メイン回が終わっちまった。ぜいたくを言ったらきりがないが、少なくともこの40分間、小松彩夏は主役だった。最終回まで出番はない。この番組、次回から見続けることはできるだろうか。ましてやレポなど...

*1:それを言っちゃあいけねえよ

*2:だからそれを言っちゃあ