真夏の映画まつり「ステップ」「君が世界のはじまり」

昨日のコメント欄で教えていただいた来年公開の北川景子の映画、

movie-news.jp

中村倫也芳根京子窪塚洋介と、なかなか豪華な映画じゃないか。北川景子が主演で良いのかと心配になるくらいのラインナップ。堤監督の談話。

今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも。
中村氏は眉目秀麗な弁護士を演じるが、彼の役が持つ『影』はストーリーの低いところで少しずつ温かい流れとなって全体をくるんでいく。難しい役どころだったがストイックに演じ切ってくれた。
芳根京子さん。役に憑依するとは彼女の事だ。撮影のシステムも熟知していて狙った場所で狙った以上の演技をする。まさに天才。涙の魔術師。
そして盟友 窪塚洋介。いろいろと過去から演じてもらったが、今回はまさに「はまり役」ではないか。信念と優しさ、まるで扇の要のようにいい声で動揺する魂を鎮めていく。
他にもたくさんのこの映画にとっての適材適所な役者が渦巻いている。本当にたくさん。なんとも贅沢な作品作りであった。感謝!

堤監督に天才と言わしめる芳根京子恐るべし。監督が「適材適所な役者」と言った中には北川景子も含まれているよね。信じていいんだよね。

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娘が1才半のときに奥さんが急死。そこから娘が小学校を卒業するまでの10年間の物語。原作が重松清、劇的なイベントはなくて淡々と進む日常の中に、むしろ娘によって父親として成長させられる主人公が描かれている。叫ばず裸にもならない押さえた演技の山田孝之がいい。娘は保育園時代、小学校低学年時代、高学年時代と3人の子役が演じるが、真ん中の子が神がかりの名演技すぎて最後を締める3番目の子がくすんで見えるのが気の毒だった。チョイ役に伊藤沙莉川栄李奈を使う贅沢な配役だったが、再婚相手の広末涼子はミスキャストだと思う。

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ああ、失敗した。候補がいくつかあったが時間がちょうど良かったのがこれだったんだよね。前半は群像劇で、主役の松本穂香は舞台回し。そこは良かった。終盤で主人公の周りに全員が集まり大団円になるはずが、そこがごちゃごちゃしたままラスト。これは監督の力量だなあ。