1月に読んだ本

ひー、2日空いちまったぜい。

そして誰も死ななかった

そして誰も死ななかった

 

 バカミスのときはカバーか帯の隅に「バカ」って書いておいてくれよ。方向性は映画にもなった「屍人館の殺人」に似ている。現実にはあり得ない設定を一つだけ入れる。導入する設定はその一点だけにとどめて、あとは極めて論理的なパズラーとして物語が組み立てられている。そしてその設定があるからこそ実はこういうことも成り立つよねという点がメイントリックになっている。本作は「南海の孤島」タイプのクローズドサークルになっていて犯人は限られた人の中の誰か。このタイプのミステリーは物語が進むにつれて容疑者が減っていく。だがこの物語は設定によって容疑者が減らない...

 

惑: まどう

惑: まどう

 
迷: まよう

迷: まよう

 

 2冊まとめてドン! アミの会とは女性作家の、と先月に書いたがまちがい。よくこれだけの作家を集めたよね。

 

消滅世界 (河出文庫)

消滅世界 (河出文庫)

 

 世界が消滅するSFパニック物かと思ったらぜんぜん違った。性、家族、出産の考え方がまったく違ってしまった、現実とはちょっと違う現代の日本が舞台。その世界で人々はなにを考え、どう生きていくのかのシミュレーション小説。ただそれは現在の我々に起こりつつある価値観の変化、それが行き着く先はこうなるという話なので納得ができるし薄ら寒くもある。

 

カザアナ

カザアナ

 

 「カラフル」、「DIVE!!」など、どちらかと言うと児童文学寄りの著者が新境地を開いた前作は三代にわたる学習塾を通して現代の教育を考える話。と思ったら本作はSF伝奇小説だよ。すげえな。