12月に読んだ本

月に4冊って、過去最低だよ。途中まで読んで別の本を読み始めたのが敗因だよ。

アンソロジー 嘘と約束

「アミの会」という女性作家のグループによるアンソロジー。同じテーマだが人によってテイストが異なる佳作ぞろい。

 

ノースライト

まいった、まいりました。あなたはすごい作家です。一生ついていきます。かどうかはわからないが、何がすごいってこれは著者が得意とする警察を舞台にしたミステリーではないんだよ。誰も死なないし、何も盗まれない。そもそも主人公は建築士で、登場人物も主人公の周りの建築関係者ばかり。それで5cmもある分厚い話を一気に読ませるなんて、これを書き上げるために調査と構想にどれだけの時間をかけたのだろう。この作者なんか得意の警察ミステリーを書けばもっと簡単に仕上げて、数万部くらいは売れただろうに、わざわざ新しい分野に挑戦するその心意気。しかもこの作品は続編が書けない一回限りの挑戦。一発ヒットをするとあとは余生のマンガ家諸君、もっとがんばりたまえ。

 

間宵の母

独特のミステリーを書く(「葉桜の季節に君を想うということ」はぶっ飛んだ)作者、今度はホラーだ。心霊ものと思わせてサイコものになって妙な着地のしかたをする。伏せたカードの返し方はさすが。

 

秘伝 〈プロ編集者による〉文章上達スクール (1)

5cmもある本なのに古本屋で100円。秘伝が100円なら激安だと思って買ってみた。「文章上達<秘伝>スクール」とあるが、筆者が行っているメーリングに寄せられた質問に答える形式の本。ただ、ここで言う「文章上達」は文章は短くとか修飾語と被修飾語を近づけてとか一つの文のことではなく、小説家やエッセイストなどプロの文章書きをめざす人の心構えとか構想のしかたとか。こういう方向の本って初めてなので新鮮だった。まったく役に立たないけど。