残暑の映画まつり「見えない目撃者」「アイネクライネナハトムジーク」「記憶にございません」

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吉岡里帆が主役だからB級映画かと思ったら、緻密でスピーディーな構成と役者がみんな上手な良作。警察学校を首席で卒業したが交通事故で弟を亡くし自分も失明してしまった主人公が、暗く笑顔の無い吉岡里帆。季節が冬なので厚着なのが残念。誘拐事件に遭遇するが全盲なので警察は信じてくれない。だがあのとき助けを求めた少女を救うために、その現場に居合わせた高校生(高杉真宙)の助けを借りて手がかりを探す...視覚障害者が脳内に展開する空間認識の映像が面白い。終盤で犯人にたどり着くが逆に犯人に追われ逃げ回る。自分のいるところをスマホで撮影し、それを別の場所にいる高杉が見てどっちに行くか指示を出す。途中、地下鉄の駅の構内でころんでしまい盲導犬とも離れ方向がわからなくなってしまった。床を手でまさぐると点字ブロックに触れる。その瞬間、脳内イメージに道が浮かび上がる。装具を履いて通勤してたころ、点字ブロックが邪魔だと言ってすまんかったです。

 

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伊坂幸太郎の同名の小説の映画化。「死神の精度」や「フィッシュストーリー」は良かったが、本作はちょっと残念だった。そもそもこの作品は映像化に向いてない。わざわざ劇にしても小説に加わるものがない作品ってあるでしょ。あと多部未華子のエピソードが弱いので、それがそのまま映画の弱さになってしまっている。映画化して欲しい作品はたくさんあるのだがな。

 

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番宣をさんざんやっているのでストーリーはご存じと思う。記憶喪失になった支持率2.7%の首相。政局の混乱を避けるために秘書だけの秘密にして回復を待つことにした。その筆頭の秘書がディーン・フジオカ小池栄子。とくに小池栄子はお得な役だった。ポスターの右から2番目がアメリカ大統領。どこかで見た人だなあと思ったら木村佳乃かよ。これは笑った。脇役陣がこちら。

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右下はニュースキャスター役、ほぼ特殊メイクの有働由美子。左下は大統領の通訳、この人は初めて見たが宮澤元総理の孫だって。あと下段中央が総理の息子役、ウルトラマンジードの濱田龍臣くんだよ。龍臣くん、良かったねえ。映画だが、終盤はちょっとできすぎの面はあるが、大人のファンタジーということで。