北川景子「家売るオンナ」総括

「家売るオンナ」ロスに耐えられない私。耐えられないからといって死んだり病気になったりもしないと思うが。後半の6話から10話、私が好きだったのは偶数回だった。7話と9話は録画を見直してないなあ。残念なのが各話の監督が

  6話・・・山田監督(足立と庭野)

  7話・・・猪俣監督(白洲美加の両親)

  8話・・・佐久間監督(お天気お姉さん)

  9話・・・山田監督(二世帯同居)

  10話・・・佐久間監督(ビル一棟売却)

8話と10話を猪俣監督で見たかったぞ。10月始まりのドラマの演出に入っていたのかな。10話の最大の見せ場であるビルの1階、バレースタジオのシーンのカメラが単調なんだよな。北川景子の後ろが壁一面に鏡なので、そこにカメラが映り込まないようにしなければならない制限はわかる。それでも北川景子と親子に対して同じアングルが延々と続く。ただ、このシーンが単調にならないのが北川景子のセリフの力強さと、なによりお母さん役の元宝塚の人。
     
まったくセリフがなく、娘の隣に立っているだけ、下半身はまったく動いていないのに圧倒的な存在感。これが舞台の経験なのだろう。舞台はセリフや台本に書かれた動作がなくても、いったん舞台に上がったら何かをしてなければならないからな。これが篠田麻里子だったらかなり厳しいシーンになっていた。
ついでに最終回の感想を追加。最終回だからといって主人公の色恋沙汰が進展しなかったのは良かった。意外な告白が無かったのが良かったが、三軒家万智から最終回らしい告白があったのは気づいたか。ビル一棟を売ろうとしていたのを会社の上層部の意向で中止しなければならなくなったときの彼女のセリフ。家を売るのは単なる自分の仕事、それ以上でも以下でもない。そこに大義名分などない、自分の売り上げを増やすためと言っていた三軒家万智が、最後の最後で彼女の本音を漏らす。

     

     「大切なのは私が預かったお客様の人生です」

自分がお客様にとって最適な物件と新しいライフスタイルを見つけることができればお客様の人生がより良いものになる。自分が家を探すことはお客様の人生を預かっているのだ。そう三軒家万智は言っている。これをドラマの初回に言ったらこのドラマは単なる熱血職業ドラマになってしまう。そのテーマを隠して主人公に露悪的な言動をさせるのがこのドラマのミソなわけだ。第二シーズンが見たいかと聞かれるとよくわからない。同じテイストだったら見たいが、制作側とするとそれは度胸がいることだろう。恋愛とかライバルとかが出てきてまったく別のドラマになってしまうのはつらい。それよりもそろそろ「モップガール2017」を企画してくれてもいいころじゃないのか